馬力の早見表は候補を出す入口ですが、最終決定には使えません。同じ20坪でも、事務所、飲食店、工場では室内に入る熱の量が大きく違うからです。
面積から仮候補を出し、人数、窓、発熱機器、換気、天井高、営業時間で補正します。現在の機器が効かない場合は、同じ馬力へ交換せず、困る時間と場所から負荷を計算し直します。
迷いやすい項目を順番に整理し、見積り・工事・維持管理で使える形にまとめます。
最初に確認する6つのこと
- 床面積最初の目安ですが、これだけでは決めません。
- 人数常時人数と最大人数を分けて考えます。
- 窓と方角西日、ガラス面、断熱状態が冷房負荷に影響します。
- 発熱機器厨房、OA機器、製造機械の発熱を足します。
- 換気外気を多く入れる施設ほど負荷が増えます。
- 使用時間長時間運転と短時間のピークを分けて考えます。
馬力は部屋の広さを表す数字ではない
業務用エアコンの「馬力」は能力区分の呼び方です。実際の選定ではカタログに記載された冷房能力・暖房能力と、施設で発生する熱負荷を照らし合わせます。
同じ馬力でも運転できる外気温範囲や低温時の暖房能力、配管条件は機種により異なります。馬力だけを合わせても、寒冷地や高外気温の工場では期待した性能にならないことがあります。
- 冷房能力と暖房能力
- 外気温による能力変化
- 配管長と高低差の条件
- 同時運転する室内機の組み合わせ
能力不足が起きやすい条件
飲食店は厨房の火気と換気、オフィスはパソコンと会議時の人数、工場は製造機械とシャッター開放が大きな負荷になります。日当たりが強い窓側と廊下側も分けて考えます。
「午後3時だけ暑い」「満席時だけ冷えない」のように時間と場所を記録すると、能力不足なのか、気流や制御の問題なのかを切り分けやすくなります。
- 西日が入る大きな窓
- 出入口の開閉が多い
- 厨房や機械から熱が出る
- 天井が高く空間容積が大きい
- 換気扇で外気が大量に入る
大きすぎる能力にも注意する
能力を大きくすれば必ず快適になるわけではありません。短時間で設定温度に達して停止を繰り返すと、温度ムラや除湿不足につながる場合があります。
一台を大きくするより、窓側と室内側、客席と厨房などを複数系統へ分ける方が、場所ごとの負荷に合わせやすくなります。部分停止できれば、故障時や工事時の影響も抑えられます。
- 一台集中と複数台分散を比較
- 区域ごとの運転時間を分ける
- 将来の間仕切り変更を考える
- 低負荷時の運転効率も見る
現地調査へ渡す情報
図面がなくても、床面積、天井高、通常人数、最大人数、営業時間、窓の方角、発熱機器を一覧にできます。現在の型式と「効かない時間・場所」も加えます。
選定結果は馬力だけで受け取らず、想定した条件と台数配置を提案書に残します。店舗レイアウトや機械設備が変わる予定があれば、現在と変更後の両方を伝えます。
判断前のチェックリスト
担当者が変わっても同じ判断ができるよう、次の項目を写真・見積書・設備台帳へ残します。
- 床面積最初の目安ですが、これだけでは決めません。
- 人数常時人数と最大人数を分けて考えます。
- 窓と方角西日、ガラス面、断熱状態が冷房負荷に影響します。
- 発熱機器厨房、OA機器、製造機械の発熱を足します。
- 換気外気を多く入れる施設ほど負荷が増えます。
- 使用時間長時間運転と短時間のピークを分けて考えます。
不明な項目は空欄のまま進めず、「誰が、いつ、何を調べるか」を決めます。口頭で決まった内容は見積書、工程表、保証書へ反映します。
よくある質問
坪数早見表は使わない方がよいですか?
候補を出す入口として役立ちます。ただし、業種と発熱条件で必要能力が変わるため、最終決定は負荷計算と現地調査で行います。
今と同じ馬力なら安心ですか?
現在十分に効いており、人数や設備、間仕切りが変わっていなければ候補になります。効き不足がある場合は原因から再計算します。
能力を一段大きくすればよいですか?
不足の原因が能力なら選択肢ですが、フィルター詰まり、冷媒漏れ、気流、換気過多が原因なら馬力を上げる前に解決します。
何台に分けるのがよいですか?
温度区域、営業時間、故障時の影響、制御のしやすさで決めます。広さだけでなく、同時に使う区域を図にすると判断しやすくなります。