テナントの空調工事は、機器を選ぶ前に「誰の設備か」「誰が工事を発注するか」「建物指定の工事があるか」を整理します。
賃貸借契約、工事区分表、設備台帳から所有・費用・指定業者・原状回復を確認します。管理会社へ工事内容、工程、搬入、電源、消防設備への影響を申請してから着工します。
迷いやすい項目を順番に整理し、見積り・工事・維持管理で使える形にまとめます。
最初に確認する6つのこと
- 所有者室内機・室外機・配管の所有を分けます。
- 工事区分A・B・C工事など建物ルールを見ます。
- 指定業者建物側工事の会社と費用を確認します。
- 申請提出期限、図面、作業届をそろえます。
- 搬入共用部、養生、エレベーターを予約します。
- 原状回復退去時に残す・撤去する範囲を決めます。
まず設備の所有と責任を確認する
エアコン本体、室外機、冷媒配管、電源、中央監視のどこまでが貸主設備かテナント設備かを分けます。故障修理と更新費用の負担も契約により異なります。
以前の入居者が残した設備は、使えても責任が曖昧な場合があります。型式と所有者、保守窓口を管理会社と書面で整理します。
- 賃貸借契約と重要事項
- 設備表・引渡書類
- 残置物の扱い
- 修理・更新費の負担
工事区分と指定業者を理解する
ビルでは、建物側が指定会社へ発注する工事、テナントが指定会社へ依頼する工事、テナントが選べる工事などに区分されることがあります。呼び方と範囲は建物ごとに異なります。
空調会社の見積だけでは、管理会社指定の電源、監視、消防、養生、立会費が入っていない場合があります。全体の工事区分を一枚にします。
- 空調本体と配管
- 電源・中央監視
- 天井・内装復旧
- 火災報知・防災設備
- 共用部養生と立会い
申請と工程で見ること
工事届、作業員名簿、図面、工程表、搬入計画、停電・断水届、火気使用など、建物指定様式を期限までに提出します。夜間・休日や音出し時間も決まっている場合があります。
エレベーター、搬入口、駐車、クレーン場所を予約します。営業開始日から逆算し、申請差戻しと追加工事の予備日を持ちます。
- 申請提出と承認期限
- 作業・搬入可能時間
- 共用部の養生範囲
- ビル側立会い費
- 他テナントへの告知
退去時の原状回復まで考える
新設機器や配管を退去時に撤去するのか、貸主へ残すのかを工事前に決めます。壁穴、天井開口、室外機架台も対象になり得ます。
短期入居なら購入・リース・中古、移設可能性も比較します。ただし、契約期間だけを理由に必要能力や安全な工事を減らしません。
判断前のチェックリスト
担当者が変わっても同じ判断ができるよう、次の項目を写真・見積書・設備台帳へ残します。
- 所有者室内機・室外機・配管の所有を分けます。
- 工事区分A・B・C工事など建物ルールを見ます。
- 指定業者建物側工事の会社と費用を確認します。
- 申請提出期限、図面、作業届をそろえます。
- 搬入共用部、養生、エレベーターを予約します。
- 原状回復退去時に残す・撤去する範囲を決めます。
不明な項目は空欄のまま進めず、「誰が、いつ、何を調べるか」を決めます。口頭で決まった内容は見積書、工程表、保証書へ反映します。
よくある質問
壊れた空調は大家が直しますか?
所有区分と賃貸借契約で異なります。残置物か付帯設備か、修理負担条項を確認します。
好きな業者へ依頼できますか?
テナントが選べる範囲と建物指定工事があります。管理会社の工事区分表で確認します。
管理会社へいつ連絡しますか?
機種を発注する前です。設置可否、電源、室外機置場、指定業者、申請期限を先に確認します。
退去時に撤去が必要ですか?
契約と貸主合意で決まります。残置・譲渡・撤去の扱いを工事前に書面化します。